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interviewインタビュー

田中 恵子

2021.10.27

田中が行う研修「アナウンサー経験を基に相手に合わせて伝える ー講師として人生の一場面に良い影響を与える喜び」

田中恵子

今回は、弊社で研修登壇している田中恵子のインタビューをお届けいたします。

この記事のもくじ

一生できる仕事を、と思い目指したアナウンサー

アビリティーセンター 以下アビ田中さん、本日はよろしくお願いします。

田中さん 以下敬称略よろしくお願いします。

アビまずは田中さんの経歴を教えてもらえますか?

田中大学卒業後、派遣会社に勤務しながらアナウンススクールに通い、高知放送の入社試験を受けて、アナウンサー職で入社しました。10年間アナウンサーをしており、主に担当していたのが、夕方のローカルニュースです。キャスターとして自分で取材もし、当時高知県には53市町村あったのですが全てを回りました。

その後、出産を機に退職し、フリーアナウンサーになりました。また、話し方講師として、話し方を教えるうちに、話し方と言っても人前で話すだけでなく、コミュニケーションが大切だなと思うようになり、コミュニケーションについて学び始めました。この頃から企業研修の依頼も受けるようになっていたのですが、主人の東京への転勤を機に企業研修の経験を積もうと思い、結局、7年間、研修講師をしてきました。

その際は、大手通信会社で応対品質向上研修や、面白いこところでは、ミステリーショッパー・覆面調査をしていました。高級商業施設に入っている飲食店やアパレル店の店舗スタッフの研修をしていたのですが、その研修の前段階として、お客様のふりをして、接客がどうなのかをみてフィードバックするという仕事で、200店舗以上は行いました。

アビそういうお仕事があるんですね!

田中そうなんです。色々なお店に行けて楽しかったです。その後高知に帰ることになり、アビリティーセンターに入社しました。

アビアナウンサーは元々なりたかったんですか?

田中アナウンサーになりたいというよりは、職業名がある仕事に就きたかったんです。高校の先生から「アメリカ等にはOLという職業はなく、専門職しかない。どの会社に入るかではなく、何の仕事をするか」という話を聞いて、私も「○○会社の者です」ではなく「私は○○です」と言えるようになりたいと思ったのが、きっかけです。一生できる仕事に就きたかったんですね。
朗読など、読むことが好きだったので、言葉で何かを伝える仕事に就きたいと思いアナウンススクールに入りました。

多くの取材経験から、相手に合わせた話し方が身に着いた

アビアナウンサーになってみて、想像していたこととギャップはありましたか?

田中ローカル局だったこともあり、テレビ・ラジオに出るだけが仕事ではないということですね。自分で取材先をみつけて、アポイントを取って、取材に行き、原稿を書き、ハードなときはカメラも回していました。キー局では分業されていますが、ローカル局ならではですね。ただギャップはあったけれど嫌ではなく、原稿を読むだけではなく(制作に)関われるのはすごく楽しかったです。

アビそこまでされるんですね。でも確かに、自分で取材先を選べるのは良いですね。

田中そうなんです、自分が知りたいと思ったり行きたいと思ったところに行けるので。ただ、ネタを探すのは大変でしたね(笑)。いつもネタに追われている感じでした。

アビ意外です(笑)。
アナウンサーの方は、基本的にはテレビの向こうにいらっしゃる方に一方的にお話しされることが多いかと思いますが、取材となると相手がいますよね。そこにギャップはなかったですか?

田中そうですね、話すトレーニングを積んできた身としてはつい、綺麗に話そうとしてしまうのですが、取材でお話をするときは、綺麗に話すことよりも、相手に合わせることが大事だなと思うようになりました。
田舎のおんちゃんに「私(わたくし)、高知放送の長谷川(旧姓)と申します」と言っても堅苦しいので、土佐弁で話しかけて「今ちょっとかまいません?」と。相手に合わせて、相手に添って話すというのはそこで学んだと思います。同じ目線で話をするというか。この経験は、研修でも活かされていると思います。

アビ他にアナウンサーの経験が、研修講師に活きたということはありますか?

田中やはり、分かりやすく伝えるということですかね。
アナウンサーは下調べを沢山します。実際に話す内容の10倍位の量の下調べをするけれども、伝えるのはその中のエッセンスで、沢山ある情報の中からピックアップする作業をします。それは研修でも同じかなと。
様々なことを学んだ上で、今目の前の受講者に伝えるべきことは何だろうかと考え、しかもそれを分かりやすく相手に合わせて伝えるということですかね

アビアナウンサーの方は原稿を読んでいるイメージがあるんですが、先ほどの原稿から作られるときのお話ということですかね?

田中ニュースは原稿を読んでいますが、ラジオ番組は原稿が一切ないですし、現場から実況中継をするというときも原稿を作る時間がなく順次起こったことをお伝えしなければならないということもあります。用意された原稿がない状態の中で、今、何を伝えるべきか情報を取捨選択して、お伝えするということですね。

講師として、人生の一場面に良い影響を与える喜び

アビアナウンサーと講師での大きな違いは何ですか?

田中アナウンサーの時は、不特定多数の方、テレビ・ラジオの向こうの方に話していて、もちろん顔は想像していましたが、実際には話している相手の顔は見えない状態です。でも、研修は目の前の方に向かって話すので「この方々のお役に立ちたい」という気持ちはダイレクトに伝わるなと思っています。
これから研修を行っていきたいと思ったのも、不特定多数の方ではなく、目の前の方のお役に立ちたいという想いがありました。

アビ話し方講師をされたきっかけは何かあったんでしょうか?

田中アナウンサーとして司会をしている時に、よく言われたのが「よくそんなに緊張もせずに、ぺらぺらと話せますね」ということで(笑)、「そんなに皆さん人前で話すことに抵抗感や苦手意識があるんだな」と思いました。
でも、ちょっとしたコツで緊張しないで話せるようになるし、緊張しているせいで、せっかくのその人の魅力が伝わらないのは勿体ないと思い、「あなたの魅力を引き出す笑顔と話し方」というタイトルにして、緊張しなくていいんですよ、ということを伝えたいと思いました。

アビ良いタイトルですね。
その中でコミュニケーションが大事だと思われたということでしたが、それはきっかけがあったんですか?

田中話し方講座って、皆さん色んな悩みを打ち明けてくださるんですよね。それで話し方というのは、人前で話すだけじゃなくって、苦手な相手との話し方、職場でのコミュニケーション等も含めてなんだなと気付いたんですね。「気持ちが伝わる話し方」というのはどんなものなんだろうと考えるようになりました。

アビ確かに話し方と言っても色々な場面がありますね。
その後に東京に行かれて企業研修講師になられたんですね。話し方講座と企業研修で違いはありましたか?

田中話し方講座は自分で受講料を払って、自らいらしているけれど、企業研修は必ずしも皆さんが初めから前向きな訳ではないということですね。そういった方にこちらを向いていただく、少しでも前向きな気持ちになって、仕事で実践しようという気持ちになっていただくことの難しさを感じましたね。

アビその差は大きいですね。何か工夫されたことはありましたか?

田中話しかけ続ける、ですね。

アビ大事ですね。
これまで研修講師を続けられた理由、モチベーションのようなものはありますか?

田中高知に帰ってきて朗読の講座を再開したときに、7年間待っててくれた方がいたんです。
「長谷川先生、またやってらっしゃると思って来ました」と言ってくださったんです。先生として覚えていて下さる方がいる、何かその方の人生に一場面だけなんだけれども、影響を与えているという喜びを感じました。
新入社員研修も一生に一度の研修なので、もしかしたら「あの時、あの先生に言われた言葉が、印象に残っていて、いつも心がけるようにしている」というような、影響を与えられたらすごく嬉しいなと思います。たまに「あの時褒めてもらったのがすごく嬉しくて、頑張れます」といったような声を掛けて下さる方がいるんですよ。

アビそれはとても嬉しいですね。

お互い分かりやすい言葉で話す

アビ田中さんはやはり、的確な言葉と、抜群の分かりやすい話し方・受け取り手の理解のしやすさが強さかなと感じるんですが、言葉の選び方で気をつけていることはありますか?

田中コミュニケーションギャップが起きないように、心掛けています。必ずしも自分が発した言葉がその意味合いで相手に受け取ってもらえるとは限らないですよね。なので、そのギャップがなるべく起きないように、お互いにとって分かりやすい言葉で話すということを意識しています。

アビあと田中さん、笑顔がいいですよね。自社の社員を褒めるようですが(笑)。

田中ありがとうございます(笑)。でも良いことを聞いてくれました!笑顔は初め全然だめで、アナウンサー時代、会社の外を歩いていて、全く表情を意識していないときに、「何か辛いことあったの?」と聞かれて(笑)、私の真顔はそういう印象なんだなと反省し、笑顔・表情トレーニングも習いにいきました。
「家から一歩出たら常に口角を上げておきましょう」と言われ、常に笑顔になれる表情でいようというのは意識するようになりましたね。

アビトレーニングされたんですね!

田中ちなみにテレビ出ているときは、カメラのすぐ下にモニターがあって、それを常に見ているんですよ。ちょっと姿勢が、こっちの肩が下がっていると思ったらすぐに直すし、ニュースは常に笑顔な訳ではないですが表情もすぐ分かるので、自分の見え方を調整するんですね。今それがZoomで皆さんできるので、自分がどう見えているかというのをみていただくと自分の印象をコントロールすることができますね。トレーニングのチャンスですので、ぜひ(笑)。

アビ確かに今は良いチャンスですね(笑)。

信頼関係を築き、明日から実践できる研修を目指す

アビ研修で気をつけていることはありますか?

田中早いうちに全員とお話をしたいとは思っていますね。オンラインで人数が多いと難しい部分もありますが、リアルであれば研修前からコミュニケーションを取って、会場に入ってきてくださったときから挨拶をして。「お昼何食べましたか?」みたいな。

アビなぜ話しかけるんでしょう?

田中やはり信頼関係を築くためですかね。心を開いていただく
大した会話じゃなくても、一言、言葉を交わしておくことで、こちらの話を聞いてもらえる雰囲気を作っておけるかなと思っています。

アビ取材経験から来ているのが大きいんですかね。

田中そうかもしれませんね。やっぱり急にカメラとマイクを向けられても話せないですもんね。先に雑談で場を温めておいて、会話をしているだけのつもりが、気が付いたらインタビュー撮ってたというような。取材も研修もご一緒できるのは短い時間ですが、心が通う会話ができたら嬉しいです。

アビこれから研修を受けられる方にメッセージはありますか?

田中「楽しかった」「為になった」で終わらせず、明日からの実践に繋がる研修を目指しております!

アビありがとうございました!

 

田中は現在開催している「新任管理職・若手育成・新入社員研修 プログラム・ガイダンスセミナー」に登壇しておりますので、ご興味をお持ちいただきましたら、是非ご参加いただけたら幸いです。

 

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