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小笠原先生の研修の根源 「働く人みんなが幸せになってほしい」

2021/02/26(金)

「『できる若手社員の教科書』改訂前インタビュー 小笠原先生に聞く新入社員に必要な力」で、小笠原先生に新入社員の皆様に必要な力についてお伺いしました。
その際に、指導者・管理職の皆様に向けてのメッセージ、更に、小笠原先生が研修を行われている根源にあるお考えについても、貴重なお話をお伺いしましたので、今回お届けさせていただきます。

小笠原 豊道先生
小笠原 豊道 先生

指導者・管理職の皆様へ伝えたいこと

小笠原先生 以下敬称略せっかくなので、指導者の立場の方、管理職の立場の方にも、メッセージを良いでしょうか?

アビリティーセンター 以下アビぜひお願いいたします!

小笠原新人指導に携わる方、管理職の方は、やはり年齢のギャップもあり、「なんでこんなことが出来ないんだ」と思われることも多々あると思います。

しかし、ご自身が新人だったことを振り返ると、同じだったと思いますので、ぜひ長い目でみてあげて欲しいと思いますし、そんな彼らが早く仕事を覚えられるような場作りをしてあげて欲しいと思います。

初めはきちんと教える必要がありますが、細かく1から10まで教えるのではなく、あとは考える余地を残してあげて欲しいなと思います。

「考える余地」と言って丸投げするのはNGです。ある程度の方向性、道筋を見せた上で、どうやってやるかを任せてあげる。ゴールが示されていないと考えようがないので、まずは、ゴールは示してあげて欲しい。 今の新人の方は優秀な方が多いので、しっかりと身に付けてくれると思います。だから、温かく指導してあげて欲しいなと思います。

アビ指導は行う方も大変なものですが、「場作り」や、「考える余地作り」をしてあげることが大切なんですね。

小笠原新人は年齢の離れた方と接する機会がなく、不安を抱えています。
だから、まずは共通関心をみつけられるようにコミュニケーションを取ってあげて欲しいと思います。共通の関心がみつかったときに、人間関係は強固なものになります。

まずは上司、先輩から声をかけてあげて欲しいなと思います。これが私からのお願いでございます。

アビ確かに、新人さんは日々仕事を覚えるのに必死で、先輩の時間を取らせたくないという思いもあって、中々自分から先輩に声をかけづらいですよね。
ちなみに、「共通関心」はどういったものが良いんでしょうか?

小笠原共通関心はなんでも良いんです。「人間関係」なので、仕事の要素は入っていません。

人として共通関心を持てると、新人さんは安心感を持てます。共通関心を持てたときに、相手が自分の目線に降りてきてくれると感じるんですね。スポーツでもアニメでも良くて、ファン同士として話が出来ます。それは仕事ではなく、一人の人間として話が出来るということです。

アビつい仕事関係でと考えてしまいますが、仕事じゃなくてもいいんですね!

時代と共に、価値観は変わっている

アビなぜ共通関心が大事なんでしょうか?

小笠原昔よりも価値観が多様化したからです。環境が変わってきた。
昔は、スポーツなら野球、巨人戦とか、音楽ならベストテンとか、みんなわかるものがありました。
しかし、令和はみんな好きなものが違います。好きなものは多種多様で、つまり価値観が多様化しています。家族であってもピンとこない。皆それぞれみているものが増えています。

昭和の時代はハイコンテクストで、「あうん」の呼吸が通じました。今はローコンテクストで、きちんと伝えないとわかりません。1を聞いて10は分からないんです。
驚かれるかもしれませんが、今の子は人生の中で電話の取次ぎすらしていない世代です。電話が怖くて取れないとよく聞きます。それぐらい、価値観が違うんです。

アビ「今の若い子は・・」なんて言われますが、本当に時代と共に価値観が変化しているんですね。

小笠原逃げ向上のように「時代が違う」と言いますが、これは本当なんです。
まず、圧倒的に情報量が増えました。パソコン、インターネットが入ってから特にで、仕事のスピードも20-30年前とは違います。

ですので、価値観が違うんだ、ということは認識していただきたい。
だから対話が必要になります。共通関心を探ることから始めることで、話の質って変わってきます。電話取次ぎ一つ取っても、会話の質が変わってきます。

アビ価値観が違う相手を理解するために、対話が必要であり、共通関心をみつけることがその手助けになるんですね。

上司と部下ではなく、発注者と受注者

小笠原私は上司・部下と言う言葉をなくしたいと思っています。いるのは、管理職とスタッフです。それは、取引先関係の発注者と受注者と同じということですね。
部下にお願いするときも、社外の方にお願いするのと同じで、しっかり伝えないといけないんです。

アビなるほど、社外の方と考えたら丁寧に説明しますもんね!すごくわかりやすいです。

小笠原はい。そういう考えに基づけば、パワハラなんてなくなります。「俺の言うことは全部聞くのが部下だ」と言った考えは、今は通りません。必要なのはコントロールではなく、発注者と受注者として、きちんと伝えることです。

働く人みんなが幸せになるためには、肯定ファーストです。みんなが幸せになれば、ハラスメントという言葉もなくなっていきます。

働く人みんなが幸せになってほしい

アビ肯定ファースト・・素敵なお言葉ですね。そのお言葉の基にあるものをお伺いしたいのですが、先生が人材育成をされている根本的なもの、このために行っている、ということはなんでしょうか?

小笠原働く人みんなが幸せになってほしい。

仕事は何のためにしているのか?というと、お金のためが一位になってしまっていますが、お金はあくまで手段です。その先が大事で、趣味、豊かな生活、とすべて幸せに繋がっている。
私たちは幸せのために働いているので、職場環境もそうであって欲しいと思っています。

アビ素晴らしいお考えですね・・!
先生の仕事の経験を伺っていると、中々厳しいご経験をされているように思ったのですが、そこからなぜ「みんなが幸せになってほしい」と思えたのでしょうか?

小笠原確かに厳しかったのですが、昭和だから通用したものでしたが、家庭的でした。先輩がお兄さんで、上司が親という感覚です。厳しいと優しい、両方がありました。しんどい仕事をした後は、飲みに行って夜中までどんちゃん騒ぎをしていましたし。今は厳しいばかりで、ハラスメントと言われてしまっています。

アビ今は優しい部分が見えづらくなったんでしょうか?

小笠原中々見えなくなりましたね。しかし、昭和に戻れることもありません。
労働生産人口は減っています、つまり人手が足りない、けれど仕事は増えている。昭和のときはゆとりがあったんです。今は多くの仕事を少人数でこなすため、スピードが最優先です。

じゃあどうするかというと、一人一人が肯定ファースト。
一人一人が行っている仕事が素晴らしい仕事で、当たり前じゃなくて有難いという考え方です。
この考えに基づけば、「働く人の幸せ」も実現できると思います。

アビ素晴らしいお話をどうも有難うございます!否定から入るのではなく、まずは肯定する=肯定ファーストを胸に、みんなが幸せになれる職場作りを行っていきたいと私も思いました。

 

 

小笠原先生は四国電力での現場でのご経験と、人材育成において積み重ねられた豊富な知識から、いつも我々の問いに本当に分かりやすくお答えくださるのですが、「働く人みんなが幸せになってほしい」というお人柄が、その根源にあるのだと改めて感じました。

小笠原先生には、弊社研修でご登壇いただいている他、「できる若手社員の教科書」改訂版の制作にも全面ご協力頂きました。教科書ご購入の方がご覧いただける動画には小笠原先生も登場されますので、ぜひお手に取って頂けたらと思います。