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interviewインタビュー

小笠原 豊道 先生

2020.12.18

「できる若手社員の教科書」改訂前インタビュー 小笠原先生に聞く新入社員に必要な力

小笠原豊道 できる若手社員の教科書

「できる若手社員の教科書」の「社会人としての心構え」他、社会人基礎力の醸成について制作協業頂きました、小笠原先生にお話を伺いました。

この記事のもくじ

アビリティーセンター 以下アビ小笠原先生、本日はどうぞ宜しくお願い致します。

小笠原先生 以下敬称略宜しくお願い致します。

アビまずは小笠原先生のご経歴をお伺いできますでしょうか?

小笠原元々四国電力の技術職で、配電という仕事をしていました。

配電というのは、電柱・電線のおもり、お客様が例えばアパートの入退去した際に電気の入り切り、お客様の電気が切れたときの修理などを主に行う仕事です。その後電気工事の会社へ出向し、技術・技能の伝承に興味を持ち、出向解除後に技術継承の仕事をしたいと研修所を志望して異動したのがきっかけで人材育成に興味を持ちました。その際に「インストラクショナル・デザイン」という考え方を学んだのを機に、ぜひこの考え方を基に人材開発の仕事に携わっていきたいという思いを持って、5年前に四国電力を卒業させて頂き、オフィスKojoという会社を立ち上げて人材育成を行っております。

アビ技能継承はどういった部分に惹かれたんですか?

小笠原工事の仕事をしていたので、技術力によって仕事の出来が変わってくるんですよね。技術がある人が敬われる、尊敬される世界でした。出来ることが増えることの楽しさを、出向中の2年間で味わうことが出来ました。一つの技術が身に就くことで、自信は色んなところに波及していくんですよ。出来ることを増やしていくことで、世界が広がるし、自信が色んなところに影響していき、色んなことが出来るようになる。世界が本当に変わっていきました。
だから、技術を伝え自信を持ってもらいたい、自信を持つことで世界が変わっていくと思いました。

アビご自身が自信を持つことで世界が変わるのを体験されてたんですね、自信を持つことはそれだけ大切なんですね。

小笠原自信をもつことはすごく大事だと思います。1年目だと自信が持てない方ばかりだと思うんです。その中で、ここは得意だな、出来るな、ということを少しずつ増やしていって欲しいなと思います。

大切なのは信頼を得て人間関係を築くこと

アビまず、新入社員の方にとって大切なこと、必要なものは何だと思われますか?

小笠原日本においての新入社員の場合は、学校で学んだことがダイレクトに活かしにくい環境だと思います。特に大学・大学院で学ばれた方は、就職したらすぐに専門知識が使えると思われるかもしれませんが、中々そうはいきません。
やはり仕事というのは応用的なことが多いがために、まずは人間関係作りですね。人間関係、コミュニケーションを重点に置いてもらった方が良いと考えています。ですので、明るいコミュニケーション、挨拶、といった当たり前のこと、「凡事徹底」と言いますが、当然やるべきことをばかにせずに、しっかりやり続けていく、そうすることで、先輩や上司からの信頼を得られるようになっていくのだと思います。

そうすれば、2年目以降新入社員が入ってきて後輩ができる、仕事の質も上がっていく、という段階を踏んで一人前になっていきますので、焦らずに慌てずにしっかりできるようになること、そして、職場の皆さんに愛されること、それをまずは中心的な課題と思って取り組んでいただけたら良いかなと思っています。

アビ自分にも経験がありますが、新入社員のときは、つい焦って仕事が出来るようになろうと思ってしまいますが、まずは基本的なことをしっかり行い、周りの皆さんに愛されることが大事なんですね。

新入社員から集めた声・疑問に応えたい

アビでは、できる若手社員の教科書について、先生が込めて頂いた思いをお聞かせいただけますでしょうか?

小笠原18年程新入社員の方の研修を行っており、ずっと新入社員の方と接してきて、色んな新入社員研修も見てきました。その中で疑問に思ったこと、「これって本当に職場で使うんだろうか?」と思ったことが多々あります。そういった、新入社員の方の疑問を解消できる教科書ができたらいいなと思っていたときに、アビリティーセンターさんからお声かけをいただいて、携わることができたのは非常に光栄に思っています。
なので、新入社員の「なんでそうなの?」という疑問に沿えるものにしたいと思って制作しました

アビご自身が新入社員であったときのことではなく、今の新入社員の方が疑問に思われていることを、汲み取られたということでしょうか?

小笠原はい。新入社員研修だけでなく、フォローアップ研修、中間インタビューも行っています。その中で、「新入社員研修で役に立ったこと」、逆に「もっとこういったことを教えて欲しかった」ということを、新入社員の皆さんから聞いてきたんですね。それに応えたいという思いを持っています。

アビ多くの新入社員の方の声を聞かれてきたんですね。新入社員の方が役に立った、逆に疑問に思った、ということは具体的にどういったことがありましたか?

小笠原やはりマナーに関することが多かったですね。役に立ったことも多いんですが、「ここはいらないよね」という意見もありました。あとは、先輩とのコミュニケーションの取り方は非常に苦労されている方がいます。そのため、コミュニケーションについては、「こうした方がいいですよ」というアドバイスを強調したつもりでいます。

アビ確かにコミュニケーションは肝であり、難しい部分ですね。コミュニケーションについては、他の教材ではあまり触れられていないんでしょうか?

小笠原触れてはいるんですが、少し表面的なことが多く、「じゃあどうしたら良いのか?」ということに突っ込んで書かれているものがあまりないんですね。だから、現場で、職場で、活かせるものを重点に置きました。

あとは仕事の進め方に関しては、PDCAはよく言われまずが、PDCAを回しているだけでは、仕事の陳腐化に気付きません。仕事というのは、理念から始まって、目的・目標があります。そこはしっかり押さえて頂きたく、目的・目標の捉え方は強調させていただいています。

アビ目的・目標はなぜ大事なんでしょうか?

小笠原私たちの仕事には、全て目的があるんですね。目的を知っていれば、工夫が出来るんです。目的を知らないと、言われたことを言われたままにしか出来ません。そうすると仕事の質は上がっていかないし、能力向上が出来ないですよね。この仕事には何が出来ればいいのか?この仕事の本質はなんだろうか?と、本質を考える癖を付けていただきたいと考えています。

アビ仕事の本質を捉えることが大事なんですね。

教科書の改訂に携わって感じたこと、メッセージ

アビ今回教科書の改訂を協業させていただきましたが、弊社との協業について何か感じられたことはありますか?

小笠原つくづく思ったのは、関わる皆さんが前向きで、先程お伝えした目的意識を持って取り組んでいらっしゃる。柔軟に対応し、何が出来るのか考え、工夫できるのは素晴らしいと思いました。特にコロナ禍になり、人材育成の業界は苦しい状況でした。その中でアビリティーセンターさんはオンラインを使っていち早く研修を展開された、それが今回の教科書にも繋がっていると思います。行動力、前に踏み出す力の強さを感じることが出来ましたし、社会人基礎力で言うと、チームで働く力、チームワークはすごいなと思いました。

アビお褒めのお言葉をいただき恐縮です(笑)。

アビでは、教科書のご購入を検討されている方に、メッセージを頂けますでしょうか?

小笠原今回の教科書については動画のコンテンツをお付けする、ということで、社内でも出来ることを念頭に置いています。社内の皆さんが自社の実状に合わせた形でアレンジし、使用いただけたらと思っています。
教科書としてご購入いただくと、フォローアップの研修の中でも使えます。入社して1年間はずっと使える、書き加えていくことで自分だけの教科書になっていく。それを基に後輩指導にも繋げる、そういったように継続的に使えるような教科書になっていただきたいなと思っています。

とは言え、社内の講師の方だけでは不安だなと思われる方もいらっしゃると思います。その時はアビリティーセンターに声を掛けていただければ、専門の講師が沢山いますから、お客様の課題に応えるべく、教科書で触れられていない部分も含めて盛り沢山で新入社員の育成のお手伝いをさせていただきます。

アビありがとうございます。弊社のプロモーションを代わっていただき、恐縮です(笑)。

アビ最後に、新入社員の方にメッセージ、エールを頂けますでしょうか?

小笠原来年度の新入社員の方は世の中が見通せない状況です。従来と違った働き方が求められている、そして、皆さんの先輩方も戸惑いながら仕事をしています。

研修の機会がじっくりと持てないかもしれない、オンラインとなって同期との絆が持ちづらいかもしれません。ですが、必ず状況は変わっていくし、また違う形で私たちは仕事が出来ると信じています。なので、挫けずに前向きに自分のキャリアを考えながら、しっかりとまずは自分が出来ることとを増やしてください。こういったことがやりたい、こういったことが知りたいといった、興味関心の幅を広げて、まずは取り組んでいただきたいなと思っています。資格取得でも良い、先輩に聞くのでも良い、自分ならではの、自分だからこそ出来ることを増やして頂きたいなと思っています。

アビ前向きに、自分が出来ることを着実に増やすことが大事なんですね。本日は誠に有難うございました。

小笠原先生には教科書に関わること以外のことについても、貴重なお話を沢山伺いましたので、次回以降の記事でご紹介させていただきます。

 

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