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interviewインタビュー

鳥居 勝幸 先生

2022.10.18

【新任管理職】第一回 管理職の役割を理解する

鳥居勝幸 サイコム・ブレインズ 管理職

「新任管理職研修」について、5回シリーズの特別インタビューとして鳥居先生にお話をお伺いしました。今回は、第一回研修である「管理職の役割を理解する」について伺ったインタビューをお届けします。

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アビリティーセンター 以下アビ今回は、管理職研修の基本プログラム全4回の、第一回「管理職の役割を認識する」についてお話をお伺いできたらと思います。

鳥居先生 以下敬称略管理職は、自分が担当する部署の成果を出す人なんですよね。

成果を出す責任者であるという認識ができているかが大きいです。成果を出すためにメンバーの力を結集するというのが役割ですね。

ここでは答えを与えるのではなくて、白紙状態から皆でディスカッションしていただくんですね。部署の成果を出すために何をやるのか、が重要なので、ビジョン・目標設定が必要になるし、ビジョンや目標に向かう戦略を立案しなければならない、そして次に、戦略をやるための組織を作らなければいけないですよね。組織というのは、配置や役割分担ですね、組織化しないといけない。

組織化した後は、PDCAを回す仕組みをつくっておかないといけない。その後で人の育成、コミュニケーションを活発にしようとか、人絡みのことが出てくると思うんです。

こういった手順で管理職はちゃんと準備をしないといけないのですが、そういったことを理解していただく時間ですね。

ビジョン・目標があるから戦略があり、戦略があるから組織化しないといけない、組織は人で成り立っているので人を成長させないといけない、という順番がある。その順番通りに計画しないと、例えば人に思いがいって「管理職になったら人を育成します」と言ってもすごくぼやっとした話になるし、「コミュニケーションの良いチームにしたい」と言う方も多いのですが、それは何のためなのか、ということになるんですね。

ですので、ビジョン・目標、次に戦略、次に組織というのがまず柱としてないといけないとうことですね。

アビビジョン・目標→戦略→組織というのは、本当に大事なことですね。

先程、ディスカッションをしていただくというお話がありましたが、その時は受講者の方からどういったお話がでてきますか。

鳥居自らの姿勢に関することが多く出てきますね。

我慢しないといけないとか、熱意がいる、諦めない、人を育てないといけない、コミュニケーションを取らないといけない、コンプライアンスを守らないといけない、というのは沢山出てきますね。これは何も体系になっていないですよね。ほとんどの方が体系として理解されていない状態ですね。

目標・戦略・組織という基本的な枠組みが押さえられていないと、コミュニケーションだって育成だって、何のためにどんなことをやらなければならないか明確にならないですよね。部署の成果を出すというのが役割、そのためにやるのが目標・戦略・組織という話です。

恐らく自分の上司を見ていて反面教師的に出てくるところもあると思うんですがね。部下の話を聞かないといけないとか、断片的に勉強するんだと思うんですよね。体系的に理解してもらう必要がありますよね。

アビなるほど、管理されていた側から管理職になるので、自分が感じていたことの反映になるんですかね。その時に、目標・戦略・組織というお話をされると、どういう受け取り方が多いですか。

鳥居受け取り方は、はっとしますね。そういう考え方をされたことがないので。

一通り発表してもらった後にレクチャーしますので、当たり前のことを言っているのですが、やはり目標達成しないといけないし、目標達成のためには戦略がいるし、思考の順番が肝心でしょう。

PDCAも戦略がないのにPDCAを回せと言ってもだめだし、そこを紐解いてあげることですね。目に見えている人間ばかりが気になって、「この人を育てないといけない」といったことを思ってしまうのですが、それは後目標や戦略の後で構わない。

アビ視野を広くしないといけないのですかね。

鳥居視座を上げないといけないんですよね。その部署の責任者になったのだから。成果を出すために今のポジションを与えられたわけですよね。

リーダーシップの話は絶対出てくるのですが、戦略が明確にないのにリーダーシップを発揮するというのは成立しないんですね。それでは単に親分になりたいだけになってしまいます。

アビ役割の理解がまず必要なんですね。今伺った、ビジョン・目標→戦略→組織というのは、組織については難しいかもしれませんが、一般社員の方も考えるべきことなのではとも感じます。

鳥居営業やマーケティングなどの部門では戦略、コーポレート部門や生産ラインなどでは課題という言葉を使った方がわかりやすと思いますが、目標を達成するためにどう戦略立案するか、どんな課題に取り組まなければならないのかは、個人で考えないといけないですよね。

これは富士ゼロックスのときに叩き込まれましたね。自分が担当するテリトリーやアカウントがあるのですが、目標を達成するためには戦略をもってやらないとだめで、当時飛び込みセールスをしていたのですが、戦略がないと単なる辛い作業なんですよね。

戦略を立案しなさいと言われ、戦略を立案するために競合他社のシェア分析、製品比較、相手の陣営、顧客の業種を分析しないといけないのですが、情報がないから飛び込みをしているんですね。飛び込みは売るためではなく、情報収集のためにやっている。情報収集ができたら見込み客の判定や強化エリアが出来るので、改めて戦略を立案しないといけない。

戦略を立案しないといけないというのは、叩き込まれましたね

アビ鳥居先生はご経験の中で身につけられたんですね。

お話を伺っていると、知っている・知っていないで、大変な差になると感じます。

鳥居管理職研修で言うと、私は上司に恵まれたんですね。

その人たちがやっていたことを思い出すことは非常に多いんですよね。特に富士ゼロックス時代の上司はトップクラスのマネージャーだったんですね。その人たちが行っていたことは、今の時代も変わらない、目標→戦略→組織です。

アビ目標があって、戦略があって・・ということを知っていれば、自分は今なぜこれをしているのかというのは理解できると思うので、その時点ですごく違うのではないかと思います。

鳥居「飛び込みセールスがお前の仕事だ」と言われた人間と、「エリアマーケティングがお前の仕事だ」と言われた人間は育ち方が変わりますよね。

(マーケティングと言われると)本も読まないといけないし、勉強もしたくなりますが、飛び込みだけやれと言われたら本を読もうと思わないですよね。自分の仕事のとらえ方はキャリアに影響してくると思います。

アビ仕事をしているときに最後に戻るのは目標ですよね。

鳥居目標もどれくらいの高見を狙っているか、というのも管理職の責任で、「そこそこやればいいんじゃないの」というマネージャーと、「全国でトップになる」というマネージャーでは戦略が変わってくる。そのマネージャーの私のチームは日本一になったんですね、2年間位。若い時のその経験は大きいですよね。

(管理職の考え方は)きちんと教育されないのが普通だと思うので、集合研修で補うべきところだと思います。

アビ確かに上司の方も教えてもらわないと分からないですよね。

鳥居それから第一回にファシリテーションが入っているのは、この研修は毎回ディスカッションが多いので、ディスカッションのトレーニングをしておかないと回らないので、第一回にファシリテーションの基本的なことが入っています。職場に戻ったときにもすぐに必要ですしね。

アビありがとうございます。

管理職の役割は成果を出すこと、そのための目標→戦略→組織、これだけでもとても大きな学びでした。

次回は第二回の「ビジョンを持つ管理職になる」についてお伺いします。