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【新任管理職】第二回 ビジョンを持つ管理職になる

2022/11/08(火)


鳥居 勝幸先生

「新任管理職研修」について、5回シリーズの特別インタビューとして鳥居先生にお話をお伺いしました。今回は、第二回研修である「ビジョンを持つ管理職になる」について伺ったインタビューをお届けします。

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新任管理職研修

アビリティーセンター 以下アビ今回は、管理職研修の基本プログラム全4回の、第二回「ビジョンを持つ管理職になる」についてお話をお伺いできたらと思います。

鳥居先生 以下敬称略ここで言っているビジョンというのは、年間の目標の先にあるものです。

3-4年後、このチームをどうしたいかを言葉にして表現して下さい」ということをします。

年間目標は数字でしょうし、大体決まっているので、どんなチームにしたいか、どんなことを成し遂げたいかという話です。

言葉を練りに練って、自分の言葉で表現できないと、単に年間の数字があるだけになってしまうんですよね。「数字をやれ」と言うだけのマネージャーになってしまうので、「3年後はここまで行こう」「業界でも名立たるものを開発しよう」という、その管理職が何を狙っているのかを持たないと、リーダーシップは発揮できません。初めは、個人の野望でも構わないと思います。

アビ目標についてはある程度、その上の方で決められる部分もあるのかなと、どこまで考える余地があるのかなと思いました。

鳥居目標は上からブレイクダウンされてくるので、あまり余地はないところがありますが、ビジョンは個人で良いんですよね。

ただ、目標にしても管理職の意思が多少入っていないといけないなと思います。「上から下りてきたからやろうぜ」ではあまり良くないですよね。

例えばですが、「上から下りてきた数字はこれなんだけど、自分としては10%上乗せしたい」「新製品を軸にこの目標を達成したい」とか、その人なりの想いがないと、と思います。「割り振られました」ではつまらないですよね。

アビそれは格好良い上司ですね。

鳥居あるいは、「上から下りてきた目標は100だけど、上と掛け合って今期の状態では90しかいけないということを交渉したから、90は絶対やって欲しい。その代わり来年は110で握ったから」というように、ちゃんと上層部と自分はネゴってる(交渉してる)というのが大事ですよね。

アビなるほど。確かに上から言われたことをそのまま、という人を尊敬したりついていこうと思うのは難しいですもんね。

鳥居高い目標にチャレンジする訳ですから、メンバーのベネフィットも考えてくれている訳ですよね。ビジョンや目標は意思が出てくるところですから、意思をどこに持ってくるのか、ということですね。

アビそういった目標やビジョンは、普段から考えていないと出てこないのかなと思います。

鳥居特にビジョンは、研修を受けたからといって、すぐに作れるということはまずないです。研修を受けて考え始め、研修中に作りはするのですが、それは「第一次作」であり、それからどんどん変わってくはずなんですよ。「こういうビジョンで分かるか」「やれるかな」と、メンバーを巻き込んで話さないといけないですし。

あと、良い言葉を開発するためには時間かかりますよね。言葉はとても大事なんです。言葉を開発するような研修なんですよね。

研修中によく話すのですが、パナソニックの創業者の松下幸之助さんが、「世の中を豊にしたい」というビジョンを掲げて、「水道の水のように物資を安くする」という「水道哲学」という有名なビジョン表現があります。ケネディ大統領のアポロ計画では、「月を歩く姿を一緒に見ないか」という表現があり、魅力的ですよね。

私がゼロックスにいた時の支店長は、「誰一人として置いていかない支店」をビジョンとして掲げて言い続けていました。だから、全員目標達成出来る支店なんですよね。未だに覚えています。

アビすごいですね、確かにその一文で全てが伝わってきますね。

鳥居そうですよね。この言葉は一日考えて出来るものではないですし、開発するのが難しいものなんです。研修中に考えていただいて、それにメンバーと私でフィードバックし、研修が終わってから更に考えていくものです。

アビその言葉は、どうやったら出てくるんでしょうか。

鳥居開発するものなんですね。

開発するには、まずは言葉に走らないでとにかく構想する。「自分が今の立場になって本当は何を成し遂げたいのか、本当にやりたいことは何なのか、をまず100個くらい落書きして下さい」と伝え、出てきたら「それを言葉に直してみてください」と言うんですね。

言葉に直してある程度完成したと思ったものは、今度は「メンバーに聞いてください」と伝え、メンバーの意見もできる限り反映して、皆の言葉としてビジョンが完成出来たら、それは皆のものになりますよね。

そこまでに1ヶ月、2ヶ月という時間はかかるんですよね。でも、時間をかける価値はある

私が昔掲げたビジョンで一番覚えているのが、「今お取引があるお客さんが100%リピーターになるような会社にしたい」というもので、3年位言っていたと思います。

つまり、リピーターにならないような、いい加減な仕事はするなということなんですが、不思議なもので、言ってるとそれに近くなるんですよね。

この言葉を考えるのも、けっこう時間が掛かりましたね。「これ言っちゃって大丈夫かな」とも思いますしね。

アビ自分に対するプレッシャーでもありますもんね。

鳥居文章にすると3-5行だと思います。その3-5行を丸一日かけて考えてもらいます。もちろん、ケーススタディでトレーニングもします。

自分のビジョンを作ってもらい、発表してもらいますが、とても完成状態にならない。

アビ研修で完成しなくて良いんですものね。

鳥居そうです。どちらかと言うとマインドセットに近いのかもしれないですね。管理職になって、自分の部署をどうしたいのかを持っていなくてどうやってリーダーシップを発揮するのか、ということですね。

いつも肉声でしか伝わらないよ、と言うんです。パワーポイントで作っても、年末年始に話して後は格納されて終わりですからね。日頃が重要で、100回、200回使ってる言葉を使うように言います。そして、決めた言葉は変えない。

私が20代の時の上司は話してくれていたので、よく覚えています。

言葉の開発のところは、多少講師側にコピーライティング能力がいるんですよね。

コピーライティングと言うと大袈裟ですが、マネジメントしないといけない人は、言葉をちゃんと作ることができないと伝えられないですよね。背中を見せたらわかる、という時代は過ぎましたから。

私の場合は幸い、リクルートの時に採用開発部にいたと言いましたが、広告事業部の一部署で募集広告が仕事だったので、コピーライティングを見る目が鍛えられているところがあります。その時に勉強させられましたし、ブレインズを創ってからは自分で文章を書かないと始まらないですし、40代からは本や新聞を書き始めたのでそれで多少鍛えられたように思います。

アビありがとうございます。

まず上司としての自分の想い、構想があり、それを伝えるために言葉が重要な役割を持っていることが分かりました。

次回は第三回の「メンバーの成長を支援する」についてお伺いします。