ブログ

【新任管理職】Introduction 鳥居先生のご経歴について -今求められるダイバーシティの経験-

2022/10/27(木)


鳥居 勝幸先生

「新任管理職研修」について、5回シリーズの特別インタビューとして鳥居先生にお話をお伺いしました。今回は、そのイントロダクションとして、鳥居先生のご経歴について伺ったインタビューをお届けします。

「新任管理職研修」特設サイトはこちら

新任管理職研修

トップが変われば組織風土が変わる

アビリティーセンター 以下アビ鳥居先生、今回はよろしくお願いいたします。
まずはご経歴をお伺いしたいのですが、管理職という観点でお伺いできますでしょうか。

鳥居先生 以下敬称略元々、富士ゼロックス(現富士フイルムビジネスイノベーション)に入社して、東京営業事業部で中小企業向けの営業をしていました。その時は部下が3人おり、管理職という訳ではないのですが、昔の言い方で営業主任さんと言いますか、チームの目標を追いかけていく役割ですね。

その後リクルートに転職し、採用開発部で、主に大手企業のアカウントを担当し、新卒採用の広告宣伝と、新人育成・研修を提案していました。この時は部下はおらず、ソリューション営業を行っていました。

そして、独立してブレインズを創り、3人で始めたのですが、部下がすぐに7名になり、そのあと間もなく10名位になっていました。2008年にサイコム・インターナショナルと合併してサイコム・ブレインズになり、今では社員が50名以上です。

今年の夏にサイコム・ブレインズの取締役を退任し、現在サイコム・ブレインズでは講師として活動しており、アビリティーセンターの顧問としても活動を始めました。講師を行っている中で一番多いのが管理職研修、次に営業戦略研修ですね。

アビ管理職研修の対象は、どういった方ですか。

鳥居今は新任管理職が多く、2種類ありまして、新任部長さん、または新任課長さんが多いですね。それ以外は、取締役候補、役員対象もあるのですが、研修と言うよりは定期的に個別面談を行っています。他に、50代向けのネクストキャリア研修もあり、これは今後増えていくのだろうと思っています。

どちらかと言うと、私の場合は年代が上の方の研修が多いですね。

アビ色々な層の方を対象にされていますが、役職によって違いはありますか。

鳥居違いますね。課長さんはプレイングマネージャー寄りで半分現場の人なんですね。悩みは現場にありがちな、メンバーへの教え方やコミュニケーションの取り方が多いですね。

部長さんになると部門の長ですから、部門のミッションをどう成し遂げていくのか、部門と部門の連携の方法、次期部長の対象層をどうやって育成するのか、という悩みが多いですね。

アビ役員の方はいかがですか。

鳥居役員候補の方ですと、個別でそれぞれ課題は違うのですが、自分の性格の傾向と言いますか、例えば「ストレス環境におかれた時にこういうことをやってしまいがち」といった話は多いですよね。やはり自分の「地」だけでやっていけないので、自分の「地」をどう制御するのか、という話が多いですね。

やはり、役員になると人格的なものが求められるのではないですかね。

アビ確かにそうですね。ちなみにお相手はどれくらいの規模感の企業様ですか。

鳥居一部上場クラスですね。メーカーさんや証券会社さんがなどです。

部長研修で今年思い出深かった研修があるのですが、「社員が言いやすい雰囲気にする」という、「心理的安全性」と言う言葉が今キーワードになっていますよね。メーカーさんは縦社会なので、下から物が言いにくいところがあり、工場長ともなると(部下が)数百人、千人といて階層がすごいんですね。

「心理的安全性を高めないといけない」ということで研修をしたのですが、皆さんが実行することとしておっしゃったのが、例えば「自分から相手の目をみて挨拶しよう」「部下が何かをしてくれたらありがとうと言おう」というとてもベーシックなことだったんですね。

組織のトップがそういったことを始めると、やはり組織の文化は変わるんですよね。「だいぶ変わりました」と言う方が多くいました。

部長、工場長クラスになると、テーマで言うと「組織文化まで変えていきたい」ということですね。課長さんの時は出てこない話です。

アビトップの方が変わるのは大きなことですね。

鳥居組織文化はやはり部門のトップがその気にならないと変わらないですね。

社内でアンケートを取ったら「思ったことが話せない」「コミュニケーションが職場で良くない」という結果が出るんですね。それを基にディスカッションをするので、(「挨拶をする」といった)結果が本人から出てきます。アンケートを取って、研修に反映させるという方法を取ることが多いです。

アビ実際の職場の皆様の声を基に研修されているんですね。

創業して早くに体験したダイバーシティ、相手の強みを生かすしかなかった

アビ鳥居先生のご経歴をもう少し伺いたいのですが、若い段階で既に部下の方がいらしたんですね。

鳥居入社して4年位の時ですね。昔は早くて、特に営業部門は早いんです。部下というよりはメンバーと言った方が良いと思います。OJTをして目標達成させる役割は持っていましたが、人事評価は行わないので、リーダークラスですね。

アビいわゆる部下の方で言うと、独立されてからということでしょうか。

鳥居そうですね、独立して会社を創った後になりますね。

アビ部下の方ができて困ったことはありましたか。

鳥居富士ゼロックスやリクルートにいるときは、学歴もそうですし、その会社の教育を一通り受けているので、言動が揃ってるんですよね。非常にやりやすいわけです。

当時は画一性の世界だったので、言うことも行動することも大体画一的でマネジメントもやりやすいですよね。

ところが会社を創ると、画一的ではないですよね。それぞれ経験も違うし学校も違うし価値観も全く違う人たちを社員にするので、いきなりダイバーシティですよね。

色々な人がいるので、一つ指示をしても皆が「分かりました」とはならないんですよね。一人一人対話をしてその人に合ったやり方とか、その人が納得するような持っていき方を嫌でもしなければならない。これは当時の大企業では分からないことです。

アビなるほど、大きな違いがあるんですね。今伺っていて、納得するまで話して下さるというのは部下にとってはとても良いことだなと思ってしまいました。

鳥居会社を創った頃の話ですが、その人の強みを生かすしかやっていく方法がないんですね。それぞれ、その人の価値観、やりたいこと、こだわっているポイントがあるので、それが生きるように、仕事をアサインする時の言い方、任せ方を人によって変えないとやっていけなかったんですね。

大企業の方は、企業の名前に対してある程度のロイヤルティを持っていますが、立ち上がったばかりの中小企業にはそれはないので、仕事が合わなければすぐ辞めちゃうこともできるわけですね。

会社のブランドがなく採用の力はあまりないので、入ってくれた人はいてくれないと困ります。かといって遊んでて良いよというわけにもいかないので、その人の強みをみつけるというのは相当訓練されたと思います。今の言葉で言うとダイバーシティでしたね。かなり早く訓練されました。

アビとても早い段階でダイバーシティを経験されたんですね。相手の強みをみつける、相手に納得してもらえるように対話する、というのは難しく感じる方もいると思うのですが、HPCのヒアリングのように、大事なことはありますか。

鳥居部下の過去ですね。

初めは中途採用ばかりなので、学校でどんなことを勉強したのか、前の会社で何をしていて何が嬉しかったか、嫌だったかは聞かないと、同じことを繰り返す可能性がありますよね。

(前職を)辞める時に、何かあったはずなんですよね。上司とぶつかったのか、仕事内容が嫌だったのか分からないので、それはすごく重要な情報で、同じことを繰り返してあげないことですね。全く違う環境を与えようとしますね。

例えば、白紙の段階から考えたい人と、レールが欲しい人は違いますよね。白紙から考えたい人にレールを与えると嫌になってしまう。

あとは残業に対する考え方もありますよね。「徹夜してでもやりたいです」「最後までやります」という人もいたし、「残業はしたくない」という人もいました。

私の会社は性別も、学歴も、経験してきた業界もみなバラバラ、、外国籍の方がいたこともあります。あの当時から本当にダイバーシティですよね。

アビ続いた方の特徴はありますか。

鳥居会社として比較的定着は良かったと思いますが、素直で真面目な人ですね。

中小企業で歴史がない会社の特徴だと思うんですが、弁が経って尖った人はあまりはまらないんですね。論客が必要なのは、次のフェーズだと思うんですね。

初めは生きるか死ぬか、という経営をするわけですよね。銀行融資を受けながら、ボーナスを払ったりしないといけない、経営者は大げさに言えば生涯をかけてやるんですよね。

その時に、自分が思っている戦略の通りにやってくれないと困るんだと思います。(経営者は)倒産してもどうなっても自分の責任なので、皆で話し合って決めるというよりは自分が決めるので、その時に素直にやってくれる人がいないと動かないですよね。「それはやりません」「それよりこっちをやりましょうよ」という人が半分位いたら回らなくなります。

会社が力をつけてくると、採用する力もついてくるんですが、そういう時にやはり社長と違う考えを持った人間とか、社長の考え意外の意見を言える人間が必要になってくるんですよね。だから、フェーズによって必要な人間が変わってくるんですね。

アビフェーズによって必要な方が変わるんですね。

ダイバーシティの世界をどう作り、戦略にしていくのかが問われるのが管理職

アビ例えば安定した企業の場合は、意見を言える部下の方が必要になるんでしょうか。

鳥居管理職研修の方針としては、「部下に意見を言わせなさい」です。

これからの時代は、上の人の意見を聞くだけの人だけでは事業が成長しないと思うので、会社はイノベイティブでないといけないし、個人としては自分自身のキャリアプランを重視しないといけないですよね。

ですからで、「言うことを聞くだけの人を育てない」というのが方針になります。

ただ現状としては、会社の言うことを聞く人だけの人が多い。例えば、大手企業の50代の方に研修をすると、「会社を辞めることを考えたことがない」と言う方が非常に多いんですね。それくらい日本の会社は平和なんです。

そもそも「キャリアは人事が決める、それに従わざるを得ない」と思っているので、それを改めていただこうというのが大方針です。

アビ先生はどうして今のお考えになられたんでしょうか。

鳥居自分でもわかりませんが、早くして色んな経験をしたので、本当にダイバーシティだったんですよね。

創業の頃、ビジネス社会は男社会だったのですが、そんなことを言っていたら仕事も出来ないし採用も出来ないので、ダイバーシティという言葉は当時は知りませんでしたが、価値観も性別も国籍も年齢も全部受け入れないと仕事ができない状況だったんですよね。

今それが管理職研修で必要なことですよね。それを先取りしたというのは偶然の経験でしたね。

もう一つ有難いことだったのは、私の前職と前々職の会社は、男女比がほぼ半々だったんですね。その経験は良かったなと思いますね。リクルートに入った時に、その当時で私の部門長は女性でしたし、それが下地としては出来ていたのかもしれないですね。

今の管理職研修は、基本的には「ダイバーシティの世界をどう作るか」が根底です。男女、国籍というのはもはや当たり前なので、そこではなく、色々な価値観の人、経験の人がいて、雇用形態も様々、それをどう組織としての力にしていくのかが問われるのが、管理職ですね。

アビ時代よりもとても早くにダイバーシティを経験されたんですね。

でも鳥居先生と話していると、相手の気持ちの汲み取り方など、始めから分かってらっしゃったんじゃないかと感じます。

鳥居どうなんですかね。セールスの時に、お客さんの気持ちを汲み取るというのはトレーニングされたかもしれないですね。

あとはメーカーで営業をやっていた時にメンバーがいて、彼らをどうやってトップクラスのセールスマンにするのか、というのはかなり真剣に考えてやっていましたね。そうやって訓練されていたのかもしれないですね。そのチームは幸い国内でトップクラスになりました。その後からかもしれないですね、人材育成が大事だなと思い始めたのは。

アビお若い時の話ですよね。

鳥居そうですね、メーカーで営業主任をしていた頃ですから2728歳の頃ですね。

アビすごいです・・!

次回からは、管理職研修の内容についてお伺いしていきます。