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interviewインタビュー

鳥居 勝幸 先生

2020.12.25

鳥居先生に聞く「ビジネス人生の生涯に影響するHPC」前編

鳥居勝幸 サイコム・ブレインズ 営業 HPC

HPCはHearing・Proposing・Closingの略で、営業に必須の3つのフレームワークです。
今回はHPCの開発者でいらっしゃる鳥居先生に、HPC研修について貴重なお話を伺いました。

この記事のもくじ

HPC研修の始まり

アビリティーセンター 以下アビ鳥居先生、本日はどうぞ宜しくお願い致します。

鳥居先生 以下敬称略宜しくお願い致します。

アビまず鳥居先生のご経歴からお伺いできますでしょうか?

鳥居元々富士ゼロックスに入社し、メーカー営業が始まりです。
富士ゼロックスは1年目の事務系学生は全員営業スタートで、営業を頑張っていたら売れるようになり、自分でお伝えするのも何ですが、(営業成績は)トップクラスに入っていました。
当時2千人位いたんですが、トップ10くらいには入っていて、目標を落としたことがありませんでした。

5年勤めて、率いていたチームが日本一にもなり、やり切った感がある程度ありまして、若かったので、違う世界で違う経験をしたいと思うようになり、円満退社をしました。

アビ5年の中でその実績を作られたのはすごいですね。

鳥居「人材ビジネスは人材次第だろうな」と思っていて、当時勢いのあったリクルートが中途採用をしていると聞いて、受けて入れて頂き、大手企業の採用戦略を企画する仕事をしました。

すごく楽しかったのですが、リクルートはベンチャー魂がすごく強いんですよね。「ここにずっといます」なんていう社員はおらず、1年半勤めたときに私もその熱にほだされて作ったのが、今の会社の前身の会社でした。

しかし研究教育やコンサルティングをやらせてくれる会社が中々なく、何でも屋さんのような形で食いつないでいたんですが、それでもやっぱりヒアリングをしないと仕事をくれないので、ヒアリング命で仕事をしていて、営業のトレーニング法というのを考えていたとき、1996年に「HPC」という言葉を作って、これでやっていこうと思いました。
HPCはどの業界でも同じ、プログラムとしてはどんなお客さんでも通用する、新人でもベテランでも通用するという思いでした。HPCという言葉を作ったのが始まりで、今日に至ります。

アビ今から約25年も前に「HPC」研修を作られたんですね。

鳥居セミナー会社が運営している「日本経営合理化協会」ではHPC研修を1998年から始めて今でも行っています。営業系では一番長いセミナーですね。

アビすごいですね、20年以上ですね。

鳥居はい、「新規開拓塾」と言い、中小企業向けに行っています。
HPC研修の初めのクライアントは生命保険会社様、ゼネコン様でしたね。それから色んなメーカー様に波及していって、現在は一番多いのは証券会社様ですね。あとはメーカー様、システムの営業が多いです。自由度が高いので、カスタマイズをしてその会社に合ったプログラムに作りこんでしまうので、言語は変わっていませんが中身は少しずつ変えています。

アビ本当に多様な業界の皆様から支持されていらっしゃるんですね。

営業の基本は「聞く」こと

アビHPCはどのような経緯で作られたんでしょうか?

鳥居今でもそう思うんですが、私はお客さんとの人間関係をしていくのはすごく不得意な人間なんです
ベタベタした営業をするの好きではなくで、他に売れる方法はないのかな、というのはずっと考えていたテーマでした。私のような営業に元々向かない人間が、売り上げを上げることは出来ないのかなと考えました。

ということで、暗黙知でなく形式知に変えていきたいと。その頃考えていたことがHPCの土台になっています。

アビトップセールスを上げていらしたのに、営業が苦手だと思われていたんですね。

鳥居私は元々愛媛県の人間で、東京に行ったのは就職が初めてだったんです。
東京の言葉が使えず方言もありましたが、初めに東京のど真ん中の港区の配属になったんです。自信もなくて、その中でコーチングを考えるが得意になっていきました。

ただ、先輩・上司に非常に恵まれまして、先輩に教わったことは多くあります。
まずは、「とにかく長く話すな、お前は話すの下手だから聞け。聞くんだったら、方言でも聞けるだろう」と。

アビなるほど。

鳥居そして、「自分に頼るなツールに頼れ」「長々と話すよりは、短い時間でいいから、短いサイクルで訪問した方が売れる、データはそうなっている」と。

「見込み客の判定の方法もうちに合うか合わないかで判定するな。客観的データで判定しろ」とも言われましたね。当時のやり方で言うと、お客さんのところの設備・機械が古い方が切り替わり易いので良い、従業員数が多い方が使用頻度が高い、ということで、古さと人数でマトリックスを書くと見込み客が分かります。そういう「客観的データで見込み客判定しろ」と。

「科学的な営業」という言葉は当時なかったんですが、科学的な営業を行うように教わりました
先輩に言われたことを実行し、自分で考え動くことで、業績は伸びていきました。

アビ先輩・上司の方から、すごく的確な教えがあったんですね。

鳥居はい。リクルートに移ってからは、リクルートの営業はトップ・人事部長に会う営業なので、一回の面談が勝負なんですよね。一回の面談で「こいつダメだな」と思われたら、中々会ってもらえなくなるので、一回の面談が命でした。
冨士ゼロックスの時は何度も通って仲良くなるスタイルだったので、異なるスタイルの中で、面談の中身がどうしたら濃くなるかと考えますよね。

そうすると、相手をどれだけ理解出来るかにかかってくるでしょう、と。
やっぱりヒアリングをしなければならないということになって、相手を話させて話させて、話させることによって受注確率は上がるなっていうことが大体分かってきました。ヒアリングが重要であると。

リクルートで「ヒアリングが重要であるのは共通項であるな」ということが分かりました。

アビ二社を通じてヒアリングの重要性が立証されたんですね。

HPC研修は楽しく、再現性の高い研修

アビHPC研修の目的は何でしょうか?

鳥居目的は、営業なので業績を上げることにあります。 そのために、「必ずお客様に対してやらなければならない3つのこと」が出来るようになることがこの研修なんですね。

新入社員であっても3つのことなので意識さえすれば出来ますよね。

アビ確かに、3つであれば出来ますよね。ではHPC研修とはどういった研修ですか?

鳥居どんな研修なのかというと、楽しい研修です
講義を聞くだけではなくて、違う業界の営業マン役をやってみたり、お金をもらうゲームをやってみたりしながら考えを紐解いていく、どうやったら営業が出来るかを紐解いていくという、参加型の非常に楽しい研修です。

又、研修が終わったらそれで終わりではなくて、現場での再現性がとても高い研修です。
なぜ3つにしているかというと、現場で再現できる最低限のフレームにしたんです。

新入社員の方の覚え方というと、例えばセールストークで言うと、2種類挙げると、一つ目はマニュアルを覚える、決められた通りに話す。もう一つは、フレームワークを覚える、というのがありますね。

マニュアルとフレームワークは違うもので、HPC研修はフレームワークを用いているという特徴があって、マニュアルではありません。
3つのフレームは決まっているのですが、フレームに何を入れるかはあなた次第なので、考える営業が出来ます。B to Bに代表されるような面談型の営業はマニュアル通りに出来ないので、フレームワークを身につけて欲しいと思っています。

新入社員のときからフレームワークの考え方を持って臨むと、漏れがなくなるし、営業日誌もちゃんと書けるようになるし、そういうことを一年目に学んでいただきたい。そうすると、上司やOJT担当から適切なアドバイスをもらうことが出来るようになります。自分で考えて動いて、適切なアドバイスをもらえるようになる。
営業だけではなく、ビジネスパーソンとして成長が早くなると思いますね。

アビ「HPC研修は楽しい研修」というお話がありましたが、なぜそのような内容にされたのか、プログラム開発の意図がありましたら教えていただけますでしょうか?

鳥居当たり前の話ですが、講義を聞くスタイルは一番短時間で、一番歩留まりが悪いんですよね。
体を動かしたり、話したりすることで気付きはやっと生まれるので、参加型のプログラムでないといけないというのは根底にあります。
「これを売ってみなさい」とか動くことがすぐ始まるようなプログラムにしてあり、前半は自分が出来ないことに気が付く、何をしたらいいのかはインプットがあり、自分のビジネスでどうすればいいかを考えるロールプレイがある。出来ないことが分かるロールプレイと、やるべきことをトレーニングするロールプレイに分かれています。

新人の方も、ベテランの方も非常に素直に楽しんで受講しておられますよ。
面白くないという新人に方はいないですし、ベテランの方は「自分のやり方は合っていた!」と喜んでいらしたりします(笑)。

アビ本当に皆さん楽しまれているんですね!

アビ今弊社の江渕がHPC研修の講師をさせて頂いていますが、江渕が行う研修は先生から見ていかがでしょうか?

鳥居江渕さんはすごい講師だと思いますよ。
実業で経験がおありなので、普通の研修講師とは違いますよね。実業をやってきてから講師をやっているので、強いですよね。言っている言語が現場的だし、何より営業マンの気持ちが分かりますよね。それが一番すごいなと思いますよね。且つ、ロジカルですよね。文系理系を併せ持ったような、良い講師だと思います。

アビ恐縮です、どうもありがとうございます。

鳥居先生に聞く「ビジネス人生の生涯に影響するHPC」は前編に続きます。

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