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interviewインタビュー

鳥居 勝幸 先生

2020.12.25

鳥居先生に聞く「ビジネス人生の生涯に影響するHPC」後編

鳥居勝幸 サイコム・ブレインズ 営業 HPC

HPC研修の開発者でいらっしゃる鳥居先生に、HPC研修についてお話をお伺いした後編です。
前編はこちら。

この記事のもくじ

HPC研修の源流

アビリティーセンター 以下アビHPCは1996年に作られたと伺いましたが、一方的な講義スタイルはダメだとわかっていらしたのはなぜですが?

鳥居先生 以下敬称略研修を沢山受けてきまして、講義の研修も受けましたが嫌でした。あと、富士ゼロックスの新入社員研修は6ヶ月間缶詰だったんです。

アビ缶詰?合宿ということですか?

鳥居完全な合宿です。時代ですよね。

そのプログラムはすごく良く出来ていて、参加型プログラムでした。
今は「こういう意図があったんだ」と分かるんですが、色んなことをさせられました。知識を詰め込む研修もありましたが、その後には必ずテストがあり、テストもチーム対抗戦になっていて、「これでチームビルディングを覚えさせたんだ」と今は分かります。フットボール大会や、駅伝があったり、夜中山を歩き回るペアワークがあったり。メンバーとは何か、チームワークとは何か、信頼関係とは何かを学ばせるものだったんですね。
素晴らしいものだったので、受けたら研修肯定者になっていました(笑)。

アビ研修肯定者!6ヶ月の合宿研修ってすごい長期間だと思うんですが、鳥居先生にとっては嫌なものではなく、「すごい」と思うものだったんですね?

鳥居はい、周りでもあまり嫌だと思っている人間はいなかったと思いますね。
ところが、その後色んな研修を受けたんですが、沢山ダメなものも受けて、「参加型にしなければいけないんだ」ということは、新入社員の頃から分かっていました。今でも付き合いがありますが、私の同期は皆同じことを言います

アビその研修内容は実践に出られたときに使えたんでしょうか?

鳥居もちろんです。製品の知識も全部研修中に覚えさせられますので、製品知識がないと仕事が出来ませんので。ロールプレイもあり、実践で使えました。

アビその時に研修の効果、有効性を実体験として感じられたんですね。

「自分から」の人になって欲しい

アビHPC研修についてお伺いしてきましたが、新入社員に必要なものは何でしょうか?

鳥居新入社員の1年間で覚えてもらいたいのは「自分から」という言葉なんですよね。
「自分から」というのは、その方のビジネスの一生を決めていくような言葉だと思います。

自分からお客様に何かをしなければならないし、自分から上司に教えてもらわないといけない。
それをやり続ける人とやらない人で分かれてしまう、と思います。
教わり上手の人にならないといけないし、教えるのを待っているのは、それなりの人材にしかならないので。
どういう振る舞いをすれば、教えてくれるのかな、と考え、「自分から」という人間になって欲しいなと思います。

アビ「自分から」の人間になって教わり上手になると、新入社員側にはどういった良いことがあるんでしょうか?

鳥居やっぱりスキルアップが早いですね。
仕事がダイナミックになっていきます、普通の人より。
営業をしていても、新規案件・新規プロジェクト・新規開拓を早く経験する方が、大きなビジネスパーソンになれると思うんですよ。ルーティンばかりやっていて安全なところから出ようとしないと、それなりだと思うんです。自分から前に前に泳いでいく方が、ビジネスするのにはいいのではないかと思います。
一生に影響するように思います。

アビ確かにダイナミックな仕事を早いうちから経験すると、ジャンプアップしていくような感覚がありますよね。

鳥居昔のエピソードになりますが、私は良い上司についたと言いましたが、そうじゃない同期もいました。新人のとき、まずは飛び込みセールスをさせられましたが、飛び込みセールスというのは過酷な仕事で、雑居ビルを上から下までノックして訪問していくようなセールスをしていくんです。

私の上司は「君の仕事はマーケティングだ」と教えてくれたんです。
「やる作業は辛いけれど、エリアマーケティングをやっているんだ。ターゲッティングをちゃんとやれ、そこに対して営業プロセスを前に進めていけ。コンペティターがいるからどけてこい。」と言われました。
「なるほど、これはマーケティングなのか」と思ったら救われました。けれど、同期で良くない上司についた人はノックして回るから「コンコンセールスだ」と教わったんです。
「お前の仕事はマーケティングだ」と言われるのと、「コンコンセールスだ」と言われるのは全然違うと思います。

でも、上司のせいもあるかもしれないが、半分は本人のせいかもしれない
理解力や勉強しようという気があるかどうか。私は入社してからは勉強好きで、入社してからはよく勉強をして、勉強と仕事が結びついたんですよね。

アビ上司と自分は半々ですね。上司は変えられないので、私たちが研修で出来るのは、本人のマインドを変えるということでしょうか?

鳥居そうですね、本人の方が大きいかもしれないですね。
これは新入社員の人には中々理解されないかもしれませんが、特に伝えたいポイントですね。その方が仕事が楽しいですよね。

アビ最後は自主性にいくんですね。

鳥居初めのうちは何が得意か分からないと思うんです。何が得意か、何がやりたいか、この会社にいていいかどうかも分からない。
唯一分かるには、やってみるしかない。やってみるしかなくて、やってみないと分からない。
私は営業で、初めの3年間をセリングマシーンになろうと決めてやりました。3年やってみないとわからなかったと思います。やる以上はトップになるのがいいですしね。

営業は技術である

アビ先生はご自身で営業が苦手とおっしゃられていましたが、トップセールスマンになられたのはご自身の気付きでそうなられたんでしょうか?

鳥居スキル的には先輩のお陰です。
先輩が社内でも有名なトップセールスマンだったんですね。港支店にいたんですが、後でわかったことですが、港支店は登竜門的支店だったんです。優れた人が揃っていたんだと思います、社長になったり、昇進する人が多かった。

営業で成績は良かったのですが、向いていることと業績をあげることは違う話なんです
向いていなくても業績は上げられる、向いていても上げられない人もいる。

アビ向いていなくても業績をあげられる・・では業績をあげられるかは、どこが違うんでしょうか?

鳥居成果は向き不向きというより、こだわりだと思うんです
入社から3年間はとにかく色んな事考えずにセールスマシンになろうと決めました。それも先輩に言われたんだと思うんですが、売ることしか考えない人間になろうと。余計なことを考えて迷うよりただただ販売をする。その時に違う風景が見えるのではないかと思いました。
営業は技術だと思うんですよね

アビ技術ということは、今「営業に向いていない」と思う人もできるんでしょうか?

鳥居そう思います。目標に対する責任感が強ければ、出来ると思います。責任感が強い人は大丈夫です。 大人しくて口が下手な人の方が売れたりすることがあるんですよね。

15年の時を経てもなお参加者に残り続けるHPC研修

アビ最後に、今HPC研修の導入を検討されている企業様に、メッセージをいただけますでしょうか?

鳥居HPC研修は、続けることが最も重要です。
企業の方で、「HPC研修は一回受けたから良いんです、他のものを受けさせたい」とおっしゃる方がおられますが、定着するためには、毎年でも受けて頂きたいと思っています。

新入社員の時にHPC研修を受けて、3年目、5年目、係長になって課長になって受けていると、HPCは変わらないけれど中身が変わるんですよね。部長になっても受けている、という付き合いの仕方を僕はしたくて、短期的にあまり見ないで頂けたらなと思っています。
続けると強いので、毎年毎年必ず行って頂きたいと思います。

今年はコロナがありますが、振り返ると、リーマン、パンデミック、震災もありましたが、景気が悪くなると都度研修予算は削られます。しかし、人材育成投資は最も行うべき投資だと思います
これは研修会社だから言っている訳ではありません。

人材育成は、高いか安いか、価値があるかでいうとすごく価値があると思っています
組織文化が変わったりするんですよね。共通言語が育っていったりするので、HPCだけでなく、根付かせていくのは会社が発展していくためには、大きなパワーになるはずです。なので、人材育成投資は安いんですよね。安すぎるくらいで、とにかく続けて行われるようにお願いしたいです。続けて続けてやっていく。

ある大手企業様でHPC研修を長く行っています。
15年前私が新入社員の方に対して講師をしていました。同企業で昨年支店長研修をしていたのですが、一人の方が来て、「15年前にHPC研修を受けました」と言って、私の名刺を持っていたんです
当時自分をアピールするためにプラスチックの名刺を作っていて、裏に「HPC」と書いてあったんですが、その名刺を持っていたんです。

アビええ、すごいですね!

鳥居その方が私のところに来た理由が、15年前に私の本を読んだと言うんです。
「しゃべるのをやめなさい」という本なんですが、その本は絶版になっていて無いので、ありませんか?と言いにいらっしゃいました。その本は在庫があったので1冊送ってあげのですが、「本を読んで、HPC研修を受けて、自分の営業ががらっと変わった、だから支店長になれました」とおっしゃったんです。

アビすごい!!

鳥居企業が研修を続けるべきだという一つのエピソードですよね。

これには後日談がありまして、その後役員研修をしていたんですが、そこにその方がまた来ていたんです。

アビまた出世されたんですね!(笑)

鳥居「出世しましたね」と談笑したんですが(笑)、研修は社員の中に残っているんですよね。
だから、続けてやってくださいと本当にお願いしたい
景気が悪くなったからと研修費を押さえようとせず、人材育成の費用は、定番で使っていく費用です。

アメリカの企業が一人当たりに投資する費用は、日本よりずっと高いんです。日本はそこが弱いんですよね。日本はOJTでごまかしてきてしまった部分があります。

アビ日本企業の競争力の点でも考えさせられますね。(笑)

鳥居研修が残っている方は、部署が異動になっても、向こうから接触してくるんです。

ある大手商社では、初めて行ったのは10年程前になるんですが、当時ある部署の部長だった方が別の部署に移ったときに、「部の人全員に受けさせたい」と言いに来たんです。
その方が元の部署に戻りグループ会社のトップになられたら、またその会社でやって欲しいと

アビすごい熱意ですね。

鳥居教育の価値を分かっている人はこうなんです。
どんどん出世されて異動されても、アクセスしてくる。その方はファシリテーションが重要であると言っていました。深い考えがないと出来ることではありません。そういう考えの持ち主が増えたら良いと思います。

アビ人材育成の重要性を理解されている方は、どこに行かれても研修の機会を提供しようとされるんですね。多くの社員の方がその機会に出会えたらと思います。

二回に渡り、貴重なお話をどうも有難うございました。


HPC研修の目的・成り立ちから、鳥居先生が考えられている新入社員の方に身につけて欲しいことについて、研修継続の重要性についてまでお話をお伺いしてきました。
鳥居先生はご自身が営業実績をお持ちで、また20年以上に渡ってHPC研修を数々の企業様に提供されてきたからこその、深みのあるお言葉をお伺いすることができたと感じました。
3つのフレームワークを得ることで劇的に営業スタイルが変わる「HPC研修」を是非皆様に体感していただきたいと思います。

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