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interviewインタビュー

上杉 佳子 先生

2024.05.14

上杉先生に聞く「気づきが生まれる質問とは」

今回は、「魔法の質問」主宰のマツダミヒロさんに感銘を受け、自身の研修にも取り入れているという上杉先生に、その学びや研修法についてうかがいます。

新入社員 若手社員 中堅社員 管理職

上杉 佳子 先生 プロフィール:

日本マクドナルドで18年間に渡り、リーダー・店長として、300人以上のリーダーを育成。その後、心理学やコーチングを習得し、リーダー育成やチームづくりのコンサルティング、研修など講師活動を始める。

「個性を活かす職場が増え、多くの人が夢の実現をでき、社会に貢献できる世の中を創ること、そしてこの推進力となるリーダーを育成すること」をミッションとし、企業研修・人材育成・チーム運営のコンサルティングを提供している。

楽しく働くことを伝えたい

-まずは研修講師になるまでの上杉先生のご経歴を教えていただけますか

上杉:マクドナルドで10年間店長を経験しました。マクドナルドは、アルバイトスタッフを含め年齢層も幅広く、いろんな人がいますので、みんなで協力する、一緒に目標を達成するということを大事にしていました。たくさん失敗もしましたが、よい店、スタッフに恵まれ、赤字店舗を、チーム力で売れる店舗に変えるという実績を重ねてきました。とても楽しく働いていましたが、世の中にはそうではない職場もありますよね。楽しく働くことを伝えたい、協力して目標達成するメソッドを役立てたいと思い、退職後、講師業をスタートしました。

-きっかけになったのが、マツダミヒロさんとの出会いだそうですね

上杉:店長歴が長くなった頃、人材育成や店舗としての成長に行き詰りを感じはじめ、心理学やコミュニケーションを中心に様々なことを勉強していました。そんな時に出会ったのがマツダミヒロさんだったんです。

質問するだけで気づきが深まる

-マツダミヒロさんは、研修講師の中にもファンが多い印象ですが、どんなところが魅力なんでしょうか?

上杉:それが、淡々と質問だけをするんです。様々な研修やセミナーを受けてきましたが、こんな淡々とした講師は初めてで、衝撃でした。ミヒロさんに質問されてみんなで答えあう、それを繰り返しているだけで気づきや学びが深まるんです。ミヒロさんは質問しているだけ、何も教えてくれないのに、みんなの答えに気付きがたくさんあって、これはどういうことだ?どうすればこうなれるんだろうと思い、セミナーや講演会に通うようになりました。

-そこでどんなことを学ばれたんですか?

上杉:質問の仕方を変えると、答えが変わるということを学びました。コーチングはマクドナルドでも学んでいましたので、傾聴、質問の大切さは知っていました。でも、どこかで、私はコントロールしたい、教えなきゃと思っていたことに気づかされました。私がこう答えてほしい、ここに持っていきたいという質問をしていたんです。魔法の質問で、すべて相手の答え、どんな答えも正解、どんな答えがきてもまず受け止める、ということを学びました。

-「どんな答えがきても」というのは、実際にはなかなか難しそうですね。

上杉:そうですよね。私も相手の答えに「え?それ?」「普通はそうじゃないんじゃないかな」と思うこともありました。でも「なるほど。そうなんだね」「そう考えたんだ」と言葉にして返してみることにしたんです。最初は違和感があったのですが、びっくりしたのが、面談の時にアルバイトスタッフがたくさん話すようになったんです。相手の答えは相手のものというマインドはとても大事だなと思いました。

上杉先生

1on1での質問の仕方

-質問といえば、1on1で何を質問しようかと悩む上司、何を聞かれるのかと気が重い部下もいるようです。

上杉:1on1がスタンダートになりましたが、上司が聞きたいことしか聞いてないですよね(笑)。私もそうでしたが、答えありきの質問をしていたり、答えに対して、良い悪いのジャッジをしていないでしょうか。これは、本人には答えを見つけて解決できる力があると信じていないんですよね。そういう関わり方で面談すると本当のことは話してもらえないです。面談や質問のゴールは、相手の本当のことが聞きたい。本人も気づいていない思いや、課題に気付くきっかけの場になるといいですよね。

-とはいえ、新入社員や若手社員は、質問ばかりされても困るということもあるのでは?

上杉:おっしゃる通り、経験値が少ない人には質問を重ねても、答えられないことも多いですよね。ただ行動したことや、失敗したことに対して「どう思った?」「どう考えた?」という質問には答えられますよね。「どう思ったか」を聞いてもらえると、安心して話せますから信頼関係が築けます。教えるべきところは、「私だったら」「私の意見だけど」で伝えるといいですね。感情、考えは聞いて、アドバイスは「ちなみに自分だったらこうだけど、どう思う?」と伝えてみてはいかがでしょうか。

この人と働きたいと思ってもらえる在り方が重要

-1on1での質問の仕方や、マツダミヒロさんから学んだことについて伺いましたが、ご自身の研修にどのように取り入れていらっしゃいますか?

上杉:リーダー研修、コミュニケーション、チームビルディング研修を主に行っています。質問についてもリクエストが多いのですが、皆さん、知識としてはよくご存じなんですよね。研修でもテクニックはお伝えしますが、大事なのは、自分の在り方を整えること。わかったと思ってもなかなか現場では実践できないので、研修では、ゲームやワークを通じて自分のリーダーシップのスタイルを確認したり、他の人の在り方を見て学んでいただいたりしています。この上司に関わられたくないと思われると、チームで成果は出せませんよね。この人と働きたいと思ってもらえる在り方を大切にお伝えしています。

目の前の人の可能性を信じる

-最後に、上杉先生が研修で大事にしていることを教えてください。

上杉:とことん、目の前の人の可能性を信じることです。会社、人の可能性を信じる。研修はきっかけに過ぎませんが、1回のきっかけが、その人が変わるスイッチになればいいと思っています。

-本日はありがとうございました。

上杉先生の研修にご興味をお持ちいただきましたら、是非営業担当者、もしくはお問い合わせフォームからご連絡をいただけたら幸いです。