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interviewインタビュー

江渕 泰子

2023.02.01

江渕に聞く管理職の仕事「管理職はとてもクリエイティブな仕事」後編

新任管理職研修で講師として登壇している、アビリティーセンター企業研修グループの江渕に、管理職の仕事、新任管理職研修の必要性について聞いたインタビューの後編をお届けします。

江渕泰子 管理職

研修前にお客様のことを「妄想」するのが至福の時

-研修プログラムを実施するときはどんな準備をしていますか。

江渕:前半にお話しした私のバックグラウンドである製造業の方に関しては、現場での大変さをできる限り想像します。どんな事が大変なんだろう、と考えます。

-どうやって想像するんですか。

江渕:もちろんWEBサイトを見ますし、最近はWEBサイトで工場見学が出来るところがあるので、それをしたりします。自分が知っている業界、自分が現場に入ったことがある業界も結構あるので、そこを思い出すとか。あとは大学の同級生や友人・知人に聞くというのもありますね。工学部出身なので、誰かしら見つかるんです。つてを辿って、「どんなことが大変?」とインタビューします。

-毎回行うんですか。

江渕:初めてのお客様は行います。研修前に想像を膨らます時間があって、それがむちゃくちゃ楽しいんですね。「こうなったらこうかもしれない」と考えたり、買えるものなら買ってみよう、食べられるものなら食べてみよう、と色々して、その時間は至福の時なんです。

-至福なんですか、どの辺りが楽しいんですか。

江渕:好奇心ですよね。自分の知っている知識とか経験に繋ぎ合わせて、解決策の方向性を自分なりに考えてみたりとか。会社様によってはHPがない場合もあるので、その上位企業のHPをみて、この事業の方向性はこうなんだろうと考えたり。

大学院の先生に、「この事例はこれに当てはまるんですか」「授業で聞いたこの事例にここが近いと思うんですけど解釈あってますか」と聞くこともあります。

-江渕さんが勉強してますね(笑)。

江渕:こつこつやるのが楽しいんですね、この時がテンションMAXです(笑)。

-実際に研修で登壇すると、それが繋がったり回収されたりしますか。

江渕:それ(調べたこと)を全部話そうと思うと、「私こんなことを勉強してきたんです」となって、そういう講師ってあまり良くないじゃないですか。だから、一旦その楽しい時間は研修前に終わりにします。

研修はプログラム通り行うのですが、ただ、受講者の方が発言してくださった時に、「この事ですか?」と聞ける時があるんですよね。「なんで知ってるんですか!」と言われた瞬間が最高ですね(笑)。

-なるほど(笑)。

江渕:研修前に、研修に関すること以外の、その会社様の事業概要とか、戦略、マーケットの将来性とか、私が営業だったらどこに売りに行くのか、研究者だったら何を開発したいと思うだろう、ということに思いを馳せます。

専門家から見たらド素人の範囲ではありますが、自分なりに出来る範囲でやってみる。現場に行って、お話をしながら知識を深めていく。

-直接言葉で言わなくても、受講者様には何か伝わりそうですね。

江渕:(ディスカッション等では)すごく盛り上がることが多いですね。あと、専門的なプロダクトの話って、あまり皆さんする機会がないじゃないですか。私に分かり易く話して下さることで、多分その方は整理が出来てるんですね。

皆さんよく陥りがちなのが、「うちの会社は特殊なものを作ってるんでどうにもならない」という考えなのですが、そんなことはないんですね。特殊なものであるということは、とてもリスペクトすべきことであり、リスペクトした上で「マネジメント力ってすごい大事だ」ということを、伝えたいと思っています。マネジメントをちゃんとやる事で、自分達の考えている特殊な領域のプロダクトがより良くなるということを伝えたい。分解しながら、少しずつ進めていけたら良いなと。

人間関係とかコミュニケーションとかの研修も同じで、同じく妄想の世界なんですが、「きっとこういう人はこういう感じで、こうこういうところに困っててこうなんだろうな」と私なりに考えます。それが一致しなくても、その方が自分のことを話して下さることで、その方は整理が出来ますね。

だから、「どんな準備をしてますか」と言われたら、一言でいうと妄想です(笑)

-お客様の気持ちになる妄想は大きな意味がありそうですね。

江渕:私のことをよく知ってるいただいている企業様からは、「好きにしてください」とプログラムごと任せていただいているので、それはとても嬉しいですね。

でも、逆にご指定があった場合も、「この方はなぜそれを指定するんだろう」と考え出したら面白いんです。「この立場の方がこう言うということは、きっと裏側にはこういう課題があって」みたいな。背景や理由といった、裏にあるものを推測するのが好きですね。

推測した上で何が提供できますか、という時に、宣伝になってしまいますがサイコム・ブレインズ社の新任管理職研修はやはりすごくシンプルで良いんですね。受講者の方と話しながら深めていくプログラムです。

受講者の意識が「貢献したい」に変わる

-新任管理職研修を受けて、受講者の方の変化はありますか。

江渕:4回の研修の中で、確実に段々本音を語ってくださる、というのがあります。

本当に困っていることを自発的に発言した上で、周りからの提案をきちんとメモを取ったりとか、持って帰るという姿勢にすごく変わっていきますね

ディスカッションが長い研修なので、「自分が終わったらはい終わり」ではなくて、他の方の課題の時に積極的に意見を言うようになるという様子をすごく見ることがあります。貢献しようという感じです。

あと、4回行うので出席率が結構心配だったりするんですが、出席率がとても高いですね。

さすが管理職になってらっしゃる方というのがありますが、やっぱり心構えとかマインドがあって、あまりアナウンスしなくても、きちんと出席してくださる研修ですね。そこがほかの研修との一番大きな違いだと思います。

あと質問も多いです。主に部下との付き合い方が多いですが、休憩時間中に個別に質問いただくことが多いです。自分たちで作る研修、本当の意味の参加型ですね

-皆さんの意識が研修内で変わられていくんですね。。

江渕:皆さんの参画意識というか、参加するだけでなくて、自分も研修に対して貢献するという気持ちを感じます。(その姿を見て)皆さん良い管理職になっていかれるんだろうなという手応えを感じますね。

チームのビジョンを考えられるかが管理職にとって大切

-先程、管理職研修のプログラムの良さに触れていましたが、何がこの研修をお勧めできるポイントですか。

江渕:チームのビジョンを作りましょう、というのがやはり一番重要なポイントですね。これは「会社から言われたことをそのまま下に降ろしましょう」から、抜け出る大きなステップですよね。「あなたはあなたのチームをどうしたいですか」という問いなので、これに皆さん頑張って向き合っていただきます。

ビジョンは初めて考える方が多いですし、正直に言うと研修で作るビジョンはまだまだ未完成のものもありますが、入り口に立つことに意味があります。部長や役員の方を対象に、来期の事業戦略を考える戦略ワークショップという研修を別途行っているのですが、新任管理職研修の受講者の方が責任者になられて参加された際に、新任管理職の時に作ったビジョンについて振り返って語られることが結構多いんですよね。

-新任管理職研修の内容を振り返られるんですね。

江渕:この研修で考えるのは、種みたいなものだと思うんです。その時に上手く表現出来なかったとしても、会社を牛耳る立場になった時に、それがとても大事なものだと気付く。「あの時議論したあの話ってさ」というお話が、戦略ワークショップでは展開されています。

ビジョンが考えられる人なのかどうなのか、というのは大きな関所のように思います。

ここで格好つける必要はなくて、一生懸命考えるということがすごく大事ですし、自分なりに作ったものをすごく大事に見守ってあげて欲しいなと思います。

-ビジョンを作るというのがこの研修の大きな点なんですね。

江渕:そうですね、通常の管理職研修だと、やはりマネジメントに主体をおいて、目標管理であるとか部下育成、人事考課の仕方という話が中心ですね。

-確かに、一般的な管理職研修ではあまり聞かない内容かもしれません。

管理職はクリエイティブな仕事

-例えば江渕さんが、管理職になる前にこの研修を受けていたら違ったと思いますか。

江渕:もう全然違います!(笑)

30代をあんなに苦しまなかったし、もっとクリエイティブに仕事が出来たと思いますね。苦しんだことが今の講師業に繋がっているので、私個人的としては意味があるんですが、決して後輩に苦しんで欲しいとは1ミリも思わないです。後輩は早めに育っていただいて、次の時代に必要なことをやっていただきたいので。

-江渕さんの「全然違う!」というすごく感情のこもった言葉をお伝えしたいです(笑)。

江渕:この研修で行う内容は、管理職になったときに困ることのツボみたいな内容です。管理職になってみてはじめて、気づくことが多いです。一回だけではなく、2-3年は毎年受けても良いくらいだと思います。繰り返しは重要ですね。実は私も、研修をしながらではありますが、内省しています。ワークの時には皆さんの様子を見ながら、「最近部下の話聞いてないなぁ」とか自分でも考えてコテコテ書いてます。

ここまでいろいろお話させていただきましたが、管理職として様々な経験をさせていただいたおかげで、今、社外の方と様々なプロジェクトや案件で一緒に仕事ができるという関係が出来ていて、これはめちゃくちゃ面白いですね。社内だと上司部下と権限がはっきりしてるので、言うことを聞いてくれますよね。でも、社外の方はちゃんとコンセンサス取れないと、お互いにメリットがでないので、常に真剣勝負、できあがるアウトプットも質が高いです。管理職として、苦労してマネジメントを学んで良かったなと思います。マネジメント力があるとクリエイティブな仕事ができますね

30代の初めの頃はそんなことは思ってもみなくて、「偉そうで仕事をしない人=管理職、そんな人にはなりたくない。」と思っていたので、まさか管理職がクリエイティブな仕事だとは思いませんでした。なので、女性の方にも、躊躇せず目指していただきたいなと思います。

-「管理職はクリエイティブな仕事」というのはすごく良いですね。

では、最後に新任管理職研修の受講を検討されている方に、メッセージをお願いします。

江渕:この新任管理職研修は、「管理職になった皆様に受けていただきたい必須科目です」という心意気で展開をしています。導入ご検討いただく場合はぜひご連絡ください。

-ありがとうございました。

新任管理職研修にご興味をお持ちいただけましたら、是非営業担当者、もしくは下記お問い合わせフォームからお問い合わせをいただけたら幸いです。